日本シリーズ 盛り上がってきましたね。沢村賞投手のオリックス 山本投手が14奪三振の力投。メジャー入りが噂される最後の年に、勝てていなかった日本シリーズで意地を見せましたね。
でも途中まではどちらに転ぶかわからない、展開で、これぞ短期決戦の難しさなのだと思いました。
この日本シリーズを見て改めて思うのが、ピンチはチャンスの種であり、チャンスはピンチの種であるということです。
これはよく言われることでもありますが、一般的な事としてでなく、運が動くきっかけがそこにあり、あきらかに変動する結果に結びつきやすいという事です。
素人目からみると、例えばノーアウト2塁、3塁で5回裏の守り、0-3で3点ビハインドなどの局面だとすると、絶対的なピンチだと言えます。
普通に考えたら、最低でも1点、悪ければ2点は覚悟する局面です。
でももし、奇跡的に0点に抑えたとしたら、どうなるでしょう?
相手チームも少なくとも1点は取れるだろうと思っていたはずですが、そこで0点だった事により、ちょっとした動揺が生じ、平常でない心理が生まれやすくなり、プレーにもちょっとしたブレがでて、これはいけるぞと思ったチームと相対的なバランスにより、得点が生まれやすくなるのだと思います。
とはいっても、そんなピンチな局面で、ピンチはチャンスだなんて考えられないと思いますよね。
その局面で0点で3アウトを取るということを考えると、とてつもなく難しい事に感じると思います。でも、ピンチを分割してみるとどうでしょう。
最初のバッターに対し、全力を尽くすことだけを考えます。さらにその局面を分析すると、1球ごとに駆け引きがある事がわかります。1球目が、どのような球種なのか、ストライクかボールなのか、バッターが1球目から振ってくるのか、見るのか。
お互いに予想した上で、その1球に対する選択をするはずです。その局面なら、圧倒的優位にたっているバッターが心理的に有利で、ピッチャーが追い込まれているはずです。でも、そこだけを切り取って、その1球にフォーカスした場合、その1球だけなら予想外のコースでストライクをとれるかもしれません。
たった1球のファーストストライクで、それまで100:0でバッター有利だったものが、85:15にかわります。それでもバッター有利に変わりはありませんが、2球目ももし、バッターが打ち損じでファールにでもなって2ストライクになったら、一気に45:55で、ピッチャーがわずかながら優位に立ちます。
そして、もし見送った球がスライドしてストライクコースにきて、三振にでもなろうものなら、次のバッターには強いプレッシャーがかかります。
得点をなんとしてもという考え方から、スクイズなどの戦術も考えられますが、それは守っているチームも予測しやすくなります。
このように、圧倒的に優位であるにもかかわらず、その局面を細かく分割してみると、1球ごとに駆け引きが行われており、そこで流れが、どちらにも動いているのです。
これは、ピンチの局面もなく、淡々と進む試合であれば、このような動きはなく、0-3でそのまま敗れるという展開になっていたかもしれません。
だから、ピンチがきても、その一瞬に全力をつくすことで、運が動きやすくなると思っています。その場面に全力を尽くすことだけを考える。
これは普段の生活においても同じですね。あれこれ考えずに、その場で全力を尽くす事だけを考える。これでピンチがチャンスになる事もあるのだと思います。